先ほど(11月24日)、一人の男の子が亡くなりました。
私が仕事を始めたときから入退院を繰り返していたH君。
とてもイタズラ好きで、ユーモアのセンスがある子でした。
私は彼に何度スカートめくりをされたことか(笑)
9歳の男の子にスカートめくりをされる30(歳)台のオバちゃん!
このH君は私が先日キャップを持って日本へ一時帰国したことを聞き、
お小遣いからペットボトルのジュースを買い、2日かけて飲み干した。
私が院に戻るとH君は私に「これあげる」とキャップを渡した。
そのときの彼の姿を、私は異常に覚えている。
とても自慢げに、でも恥ずかしそうに、そしてたくましくも見えたからだった。
彼は、その日を境に年下の子供達の面倒もよく見るようになった。
私が教える折り紙に、できない子がいるとすぐ気が付いて、一つ一つ丁寧に教えていった。
この1週間は院内もとても静かで不思議なほどでした。
今日はとても綺麗な満月の夜。
ここへ来て、こんなに穏やかな時間は記憶に少ない。
本勤務も終わり、少し横になろうと仮眠室へ。
夢の中で呼ばれたのか、現実で呼ばれたのか、良く分からないまま、
私は走り出していた。
走りながらだんだん目が覚めていき、たどり着いたのはICUだった。
医師団が囲んでいたベットにはH君が。
すでに意識は無かった。
お父さんが入室し、何度も声を掛け始めた。
「まるこ先生も来てるよ、目を覚ましなさい」と呼びかけることしばし。
彼は目を開けた。奇跡的に持ち直した。
ほとんどの子供は体力が無いせいか、意識がなくなるとそのまま・・・と言うケースがほとんどだった。
なので、私はH君にお別れを言うことができなくて、悔いが残っていた。
だから、持ち直してくれて本当に良かった。
H君はとても穏やかでした。
「まるこ先生。ぼくのキャップ、ズミさんにちゃんと届けてね。
世の中には一人で死んでいく子供がたくさんいるんだって。知ってる?!
ぼく勉強したんだよ。ぼく、ここへ来て友達がたくさんできた。だからぼくは一人じゃないんだ。幸せだね。怒られることばかりして、よくない子だったから病気になったと思ってた。パパはぼくのことでいつも隠れて泣いてたの知ってるんだ。ぼくは最後まで悪い子かな?
まるこ先生は日本の話をたくさんしてくれたね。ぼくの夢は日本に行って富士山を見ることだよ。次は必ず行くんだ。そして、たくさんの人を楽しくさせる仕事をしたい。ぼく人の役に立てた?良い子にしたら天国に行けるかな?ちょっとだけ先に行ってるから、また折り紙教えてね。面白い話もたくさん聞かせてね。」
これがH君と私の最後の会話となり、持ち直してからわずか2時間余りでお別れとなりました。
今夜は本当に綺麗な満月の夜。
彼は眠るようなとても穏やかな最期でした。
私は泣かないで、彼を見送った。
でも今の私は、ボロボロです。
それを分かっているのか、仮眠室には誰も来ない。
今週で私は日本に帰る。
H君がここでの私が見送る最後のお別れの人となるのであろう。
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